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日本企業が北米でイベントを開くなら、どの都市を選ぶべきか

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「北米でイベントを開きたい」という相談を受けるとき、最初に必ず聞かれる問いの一つが「どの都市でやればいいですか?」です。

「アメリカといえばニューヨーク」「西海岸ならロサンゼルス」「展示会といえばラスベガス」——こういったイメージで都市を選んでしまうと、ターゲットとする顧客・業界・予算と合わない選択になることがあります。

北米の主要都市はそれぞれ、産業構造・ビジネス文化・来場者層・費用感が大きく異なります。「どの都市でイベントを開くか」は、単なるロケーションの問題ではなく、「誰に・何を伝えたいか」というイベントの目的と直結した戦略的な判断です。

本記事では、日本企業が北米でイベントを開催する際に検討すべき主要都市の特性を整理し、目的別の選び方をお伝えします。

 

都市選定の前に:何のためのイベントかを明確にする

都市の比較をする前に、まずイベントの目的を明確にすることが先決です。目的が変われば、最適な都市も変わります。

 

目的別の主な選択肢

  • 業界のバイヤー・パートナーとの接点を作りたい → ターゲット業界が集まる都市・展示会を選ぶ
  • ブランドの認知を北米で一気に広げたい → メディア・インフルエンサーが集まる都市を選ぶ
  • 特定の地域の顧客・代理店にアプローチしたい → その地域の中核都市を選ぶ
  • 北米進出の「旗印」として象徴的なイベントを開きたい → 業界内での影響力が高い都市を選ぶ

 

この問いに答えが出てから、都市の検討に入ってください。

 

主要都市別:特性と向いているイベント

ニューヨーク(New York City)

アメリカ最大の都市であり、金融・メディア・ファッション・食・アート・テクノロジーなど多様な産業が集積しています。世界中からビジネスパーソン・メディア・インフルエンサーが集まる場所であり、北米における「発信力」という観点では最も影響力の高い都市です。

 

向いているイベント

  • ブランドローンチ・メディア向けの発表会
  • ファッション/食/コスメ/アートなどBtoC系のPRイベント
  • 業界関係者向けのVIPイベント

 

「ニューヨークで話題になった」という事実自体がブランドの箔になります。

 

注意点

会場費・スタッフ費・宿泊費など、すべてのコストが北米の主要都市の中でも最高水準です。ユニオン規制も強く、設営コストが想定以上に膨らむことがあります。「ニューヨークでやりたい」という気持ちだけで選ぶと、予算を大幅に超えるリスクがあります。

 

ロサンゼルス(Los Angeles)

エンターテインメント・映像・音楽・ファッション・テクノロジー(特にシリコンビーチと呼ばれるエリア)が集積する都市です。インフルエンサー・クリエイター・メディア関係者の密度が非常に高く、SNSでの拡散力という観点では北米最強クラスの都市です。また、アジア系コミュニティ(特に日系・韓国系)が多く、日本ブランドへの親和性も高いのも特徴です。

 

向いているイベント

  • クリエイター向けイベント
  • 体験型のブランドイベント
  • インフルエンサー向け発表会
  • エンタメ系製品のローンチ
  • BtoCブランドの認知拡大イベント

 

注意点

広大な都市のため「どのエリアでやるか」が重要です。WeHo(ウェストハリウッド)・サンタモニカ・ダウンタウンLAなど、エリアによってアクセスできる層が変わります。車社会であるため、公共交通機関でのアクセスが難しい会場はハードルが上がります。

 

ラスベガス(Las Vegas)

世界最大級のコンベンション都市です。CES(家電)・NAB(放送・メディア)・MAGIC(アパレル)・SEMA(自動車アフターマーケット)など、業界を代表する展示会が年間を通じて開催されます。「特定の業界展示会に合わせたイベント」という文脈では、北米で最も多くのターゲットが一度に集まる場所です。

 

向いているイベント

  • 大型展示会に連動したサイドイベント
  • バイヤー向けの製品発表会
  • 展示会来場者向けのネットワーキングイベント
  • 業界関係者向けのディナー

 

注意点

展示会シーズン中は会場費・宿泊費が急騰します。また展示会と関係のないタイミングでイベントを開いても、ターゲット層が集まりにくい。ラスベガスでのイベントは「どの展示会に合わせるか」を起点に設計することが基本です。ユニオン規制は北米最強クラスであることも要注意です。

 

サンフランシスコ/シリコンバレー(San Francisco / Silicon Valley)

世界最大のテクノロジー産業の集積地です。Google・Apple・Meta・Salesforceなどのグローバルテック企業、無数のスタートアップ、ベンチャーキャピタルが集まります。テクノロジー・SaaS・AIなど、デジタル系の製品・サービスを持つ企業にとっては、北米で最も影響力の高いエコシステムを持つ都市です。

 

向いているイベント

  • テクノロジー系製品のローンチ
  • スタートアップ向けピッチイベント
  • デベロッパー向けイベント
  • VC / 投資家との接点づくりを目的としたイベント

 

注意点

テクノロジー以外の業界には刺さりにくい都市です。また生活コスト・会場費が全米でも最高水準の一つ。テック系でない日本企業がサンフランシスコを選ぶ必然性は薄い場合が多いです。

 

シカゴ(Chicago)

アメリカ中西部の中心都市であり、金融・製造業・食品・農業・物流などの産業が集積しています。東西海岸の都市と比べて知名度は下がりますが、中西部のビジネス層にリーチするためには欠かせない都市です。会場費・宿泊費・物価が東西海岸より低く、同じ予算でより充実したイベントを開ける可能性があります。

 

向いているイベント

  • 製造業・食品・農業・物流・金融系のBtoBイベント
  • 中西部の販売代理店・パートナー向けイベント
  • コスト効率を重視したカンファレンス

 

注意点

冬は極寒で、11月〜3月は来場者数が落ちやすい。開催時期の選定が重要です。またNYほどの発信力はないため、メディア露出を最大化したい場合は他都市の方が適しています。

 

マイアミ(Miami)

近年急速に存在感を高めているビジネス都市です。テクノロジー企業・スタートアップの移転が相次ぎ、「シリコンバレーの東」とも呼ばれるようになっています。また、ラテンアメリカへのゲートウェイとしての役割も持ち、中南米ビジネスとの接点を作りたい企業にとって戦略的な拠点です。

 

向いているイベント

  • テクノロジー系
  • 中南米市場へのアプローチを含む北米展開
  • ライフスタイル・ラグジュアリー系ブランドのイベント
  • アート系イベント(Art Basel Miamiとの連動も有効)

 

注意点

まだニューヨーク・LAほどの業界集積はなく、特定の業界ターゲットがいる場合は事前のリサーチが必要です。

 

テキサス(ダラス・ヒューストン・オースティン)

テキサス州の3都市は、それぞれ異なる産業特性を持ちます。ダラスは金融・小売・テクノロジー、ヒューストンはエネルギー・医療・宇宙、オースティンはテクノロジー(Dell・Tesla・AppleなどのオフィスがあるSXSWの開催地)。テキサス全体として人口増加・経済成長が著しく、ビジネスの勢いがある地域です。

 

向いているイベント

  • SXSWに連動したクリエイティブ・テクノロジー系イベント(オースティン)
  • エネルギー・医療系BtoBイベント(ヒューストン)
  • 小売・テクノロジー系(ダラス)

 

注意点

日本企業にとってはまだ開拓余地が大きい地域です。ニューヨーク・LAより競合が少ない分、特定のニッチで存在感を作りやすい可能性があります。

 

目的別:どの都市を選ぶべきか

これまでの内容を踏まえて、目的別に都市を整理します。

 

目的 おすすめ都市
ブランド認知・メディア露出の最大化 ニューヨーク、ロサンゼルス
特定業界の展示会に連動したイベント ラスベガス(業界展示会に合わせたタイミングで)
テクノロジー・スタートアップ系 サンフランシスコ、オースティン
中西部の製造業・食品・物流系 シカゴ
中南米へのアクセスを含む展開 マイアミ
コスト効率を重視した本格的なカンファレンス シカゴ、ダラス
インフルエンサー・クリエイター系 ロサンゼルス
日本ブランドへの親和性が高い市場 ロサンゼルス(日系・アジア系コミュニティ)

 

 

「有名都市」より「ターゲットがいる都市」を選ぶ

最後に、最も重要な原則をお伝えします。

北米でのイベント都市選定において、「有名だから」「行ってみたいから」という理由で選ぶことは、最も避けるべき判断です。

どれだけ有名な都市でイベントを開いても、そこにターゲットとする顧客・バイヤー・メディアがいなければ意味がありません。逆に、知名度は低くても、ターゲットが集まる都市でイベントを開くことで、少ない予算で大きな成果を得られることがあります。

「どこで開くか」より先に「誰に届けたいか」を明確にする——この順序が、北米でのイベント戦略の出発点です。

 

株式会社つむとについて

私たちつむとは、北米でのイベント企画・運営・制作を専門とする会社です。都市選定・会場手配・現地業者との調整・当日運営まで、北米イベントに関わる一切をサポートします。「どの都市でどんなイベントを開けばいいかわからない」という段階からでも、ぜひご相談ください。

 

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